「ロミオの青い空」の人気ヒロインと言えば、ビアンカか、アンジェレッタかの2強のように思われますが、アンジェレッタ姫は果たしてそこまで人気があるのか気になりました。
ニキータ、アニタも人気があるのはよく知っておりますが、圧倒的にビアンカ派が多いような気がします。10年前にドラクエ5を初プレイした時は、ビアンカではなくフローラをお嫁さんにしました。フローラも青髪でした。
確か、フローラは性格が素直で優しい。
ビアンカは超美人だけど、気が強い…だったと思います。
ビアンカは超美人だけど、気が強い…だったと思います。
この条件だったらビアンカに軍配が上がりそうですし、私も当初はビアンカ一択でした。いきなり出てきたフローラをお嫁さんにするのもなあ…という気分でした。
ダンジョンに行って指輪だか何かを、入手するのが結婚の条件だったはず。
ビアンカと一緒にダンジョンに潜った時、やたらと幼なじみ感を出されたり、「フローラさんと結婚できるわね」と言いながらもちゃっかりアピールされている感じが受け入れられませんでした。小さい頃はもっとサバサバした性格だったのに…。
フローラを選択。
アンジェレッタ人気はどうなのかと思い、「アンジェレッタ ファン」でググってみたところ、こんな結果になりました。
検索結果1ページで、画像項目を挟んで上から5番目でした。
テンダータウンさんは、Twitterでフォローしている3chan様が運営するHPです。
Wikipediaの「ロミオの青い空」ページよりも上位表示されました。
嬉しいことは嬉しいけれど、私ごときのブログが上位に来てしまうとは、アンジェレッタのファン層の厚さもイマイチなのかもしれませんね。ビアンカとアンジェレッタに割れると思われがちですが、その実、8:2くらいでビアンカなのか?はたまた、アンジェレッタよりもニキータ派が多いのか?
登場回数は二人より少なくても、ニキータは序盤から終盤まで登場しましたし、アルフレドに惚れたヒロインとしてかなりの人気です。
姫が途中退場してしまったのが、本当に悔やまれます。
が、ファンが少なかろうと多かろうと知ったことではありません。姫は最高なのです。
さて、妄想作り話のスタートです。苦手な方はブラウザバックしてくださいね!
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家の壁に何かが強く打ち付けられる音がした後、ジョルジョの悲鳴が聞こえたので、アンジェレッタはよろよろと玄関の方へと歩を進めました。
「かあさん!もうやめて!!」
母エッダが、お使いから戻ってきたジョルジョを折檻していました。顔面にビンタ、腹部や太ももを蹴り上げるいつものことながら、酷い仕打ちです。
「人の娘を味方につけやがって、このティチーノのごろつきがっ!」
アンジェレッタの叫びを聞いてから、すぐに手を止めましたが、最後にひと蹴り加えて罵りながら台所に戻っていきました。
「ジョルジョ…大丈夫?」
「いいんだ。もう慣れっこだよ。防ぎ方もわかってきたし」
ジョルジョの頬は赤くなっていました。口元からも血が流れていました。
買い物へ行き、帰宅するのが1分遅れただけで、殴る蹴るの折檻を受けたのです。アンジェレッタはジョルジョの手を取り、自分の部屋に連れていきました。
「かわいそうなジョルジョ…」
アンジェレッタはジョルジョを自分のベッドに座らせ、ハンカチで流れている血を拭き取ってあげました。
廊下ではまだエッダが、「ごろつき、役立たず」などと怒鳴り散らしていました。煙突掃除の仕事で、シャツはそこら中が破れており、ズボンもボロボロです。ミラノはもう冬だというのに、ジョルジョの服装は春、いや夏の服装でした。
家に帰ってきても、ガチガチと震えていることが多く、ジョルジョが風邪を引いて肺炎にでもかかったらどうしようと心配ばかりしていました。そこで、アンジェレッタはマフラーを編んであげました。ジョルジョは大喜びで「これがあれば、ミラノの冬は怖くない!」とはしゃいでいました。
ジョルジョはやっぱり元気でないといけない。
ジョルジョの口を拭っていると、こめかみからも血が流れて来ました。
アンジェレッタはすぐに血を拭き取ると同時に、どこから血が流れているか頭を見てみると、2日前、エッダに木靴で殴られたところの傷が破けていました。
もう一枚のハンカチを出して、傷のところにあてがいました。
「大丈夫だよ、それより綺麗なハンカチが汚れちゃうよ」
ジョルジョはふとアンジェレッタを見ると、目を真っ赤にし涙をこぼしていました。
「かあさん、ひどすぎるわ…ジョルジョを、こんなになるまで殴るなんて…」
アンジェレッタは両手でジョルジョの左手を握り、ひたいを肩にのせすすり泣いてしまいました。その時、破れたシャツの隙間から見えた脇腹には、ところどころ紫色になっており腫れていました。
「ジョルジョ、服を脱いで」
ジョルジョは言われたとおりに服を脱ぐと、アンジェレッタはその痛々しい姿に息を呑み、またしても泣いてしまいました。
「母さんが…本当に酷い…ジョルジョ…ごめんなさいね。…」
「なんでアンジェレッタが謝るんだよ…僕は大丈夫だよ。1週間もすれば傷は治るから、泣かないで」
そう言って、ジョルジョは服を着て、くしゃくしゃになっているアンジェレッタの髪をなで、指で優しく涙を拭ってあげました。
アンジェレッタは泣くのをやめると、ジョルジョのために食事を取っておいたのを思い出し、パンとチーズとハムを出しました。
「これしかないのだけど」
「十分だよ!いつもありがとう!アンジェレッタ!」
翌日、ジョルジョが仕事中に気を失い、アンジェレッタの部屋に担ぎ込まれました。
カセラ教授というお医者さんが、ジョルジョを診断し、アンジェレッタの部屋で4日間ほど安静にするよう言いました。アンジェレッタは、ジョルジョが自分の部屋で寝起きすることになったので、大喜びでした。仕事もお休みだし、丸一日一緒にいられる。ジョルジョの怪我と病気が心配でしたが、それ以上に一緒にいられることが、とてもうれしかったのです。
カセラ教授は、ジョルジョを一日休ませるごとに、5リラを支払うと言いました。
何日も仕事を休ませることに大反対し、突然家にやってきた教授を胡散臭く思っていたエッダでしたが、1日5リラももらえることとなり一気に手のひらを返しました。
「大先生」
「教授様」
カセラ教授の手にキスまでしようとしました。先生はすぐに手を引っ込めましたが…。
栄養のある料理を作るように言われたエッダは、指示通りに肉料理を作り、ジョルジョの体調も次第に良くなってきました。
ところが、4日目、ジョルジョとアンジェレッタがじゃれ合っている時に、アンジェレッタの肘がジョルジョの傷めた脇腹に当ってしまい、もう数日休まなければならなくなりました。カセラ教授は1日5リラを支払うと約束してくれましたが、エッダは不満そうでした。
ジョルジョが朝食用スープを台所へ取りに行ったときのことです。
アンジェレッタの分のスープをよそり、部屋にもどろうとしたところを、アンゼルモが背後から蹴りつけたため、ジョルジョは前のめりに倒れスープもこぼしてしまいました。
「かあさーん!ジョルジョがスープをこぼしたよ!」
アンゼルモの声を聞いたエッダは、罵り声を上げながらやってきて、すぐにジョルジョを蹴りつけ、殴りつけました。
「かあさん!やめて!すぐにやめてちょうだい!ジョルジョは怪我をしているのよ!これ以上ぶったりしないで!」
母の罵声を聞きつけたアンジェレッタは部屋の中から叫びました。ジョルジョは床を拭くように命じられ、拭き終わると食事をアンジェレッタの部屋に運びました。ジョルジョの分のスープはもらえませんでした。
「私の分を食べて」
「いらないよ。アンジェレッタもちゃんと食べなきゃ」
いくら勧めてもジョルジョは食べようとしないので、半分ずつ食べようとアンジェレッタはいいました。
アンジェレッタはスープにある野菜ばかりを食べ、肉には手を付けませんでした。
「駄目だよ。肉も食べないと。病気がよくならないよ」
「本当に食べたくないんだもの。お腹あまり空いてないし」
アンジェレッタはそっぽを向きましたが、不意にジョルジョの手が自分の頬に添えられ、ハッとしました。少し冷たい手。いつも熱っぽい自分の頬にひんやりとして気持ちが良い。
「こっち向いて。食べなきゃ」
ジョルジョの力強いけど、やさしい手がアンジェレッタの顔の向きをかえ、目の前にはジョルジョの顔と肉が乗っているスプーンがありました。
「う、うん…」
目をつむりながら、ジョルジョに食べさせてもらった肉は、今まで食べた中で一番美味しいと感じました。
『発作かしら…?』
胸の鼓動が早くなり、顔が熱くなってきました。でも、全然苦しくは有りませんでした。
『きみは、あの子が好きなのかい?』
先日、カセラ教授から聞かれた言葉を思い出しました。あのときは、なんでこんなことを聞くのだろうと思ってよくわからず、「ええ、私達仲良しなの」と答えました。急に恥ずかしくなってしまったアンジェレッタは、慌てて残りのスープを口に運びました。
「ぼくのぶん…」
ジョルジョが何か言っていましたが、アンジェレッタは何も聞こえず、スープを口に運んでいます。動悸は激しくても心地がよい。こんな気持ちははじめてです。ジョルジョがこの家に、この部屋に住んでからは、みるみる体調が良くなっているのを、アンジェレッタ自身も実感していました。カセラ教授から処方された薬のおかげでしょう。
でも、何よりの薬は、ジョルジョと二人きりで過ごす時間です。ここ数年来、最も体調が良く、気分がすぐれていて、外出もできるのではないかと思っていました。
すると、いきなり、ノックもなしにエッダがズカズカと入ってきました。
「私の母さんからだと思うけど、ちょっと読んどくれよ」
アンジェレッタに手渡されたのは、一行しか書いていない手紙でした。送り主は、エッダの母親からです。エッダの母親も字が書けませんので、おそらく誰かに代筆してもらったのでしょう。以前受け取った手紙の筆跡と異なります。
『年末年始、うちに遊びに来なさい』
と書いてありました。
アンジェレッタはそのまま読み上げようとしましたが、ためらいました。
『年末年始…あと1ヶ月以上あるわ。その時はお母さんとアンゼルモがおばあちゃんのところへ行って、私とお父さんがお留守番。ジョルジョは?ジョルジョはもちろん、この家に居るのでしょうけど…。』
アンジェレッタは耐えられませんでした。理由もなく、毎日毎日ジョルジョが母親に折檻されるのが。自分の母親とは言え恥ずかしくもあり、ジョルジョには申し訳ない気持ちでいっぱいでした。怪我が良くなってからも、ジョルジョが母さんやアンゼルモに痛めつけられるのは耐えられません。
「で、なんて書いてあるんだい?」
「す、すぐに来てくれって書いてあるわ…」
「本当かい!?なにかあったんじゃ…。他に何も書いていないのかい?」
「それだけよ」
「仕方ないね。今夜にも出発しなくちゃ」
エッダはアンゼルモに、今夜出発するので、準備をするようアンゼルモに伝えました。アンゼルモはおばあちゃんの家に行けば、美味しいものが色々食べられると大喜びです。
エッダはアンゼルモに、今夜出発するので、準備をするようアンゼルモに伝えました。アンゼルモはおばあちゃんの家に行けば、美味しいものが色々食べられると大喜びです。
『どうしよう…嘘ついちゃった。でも、ジョルジョのためよ。母さんやアンゼルモと一緒に居たら、ジョルジョが今以上にひどい目にあってしまうもの。母さんの実家まで片道1日かかるし、数日は滞在するでしょう。ジョルジョも気兼ねなく休めるわ。私が、貴族様みたいにお金持ちだったら、わざわざこんな嘘をつかなくても、ジョルジョを守ってあげられるのに…。』
生まれて初めてついた、大きな嘘。
小さい時にふざけてついた嘘はあったけれど、ここまで大きな嘘をつくのは初めてです。ジョルジョには生傷が絶えず、仕事中も気を失い大怪我をし、肋骨まで折れているのです。仕事に行かなくなって、ゆっくり休めると思っていたら、ひっきりなしに母や兄から打擲を受け、傷は治るどころかひどくなってしまうと心配したのです。
『母さんたちが家にいなければ、ジョルジョの傷も良くなる。父さんは、母さんと一緒に実家には行かないと思う。ジョルジョがいないので、煙突掃除の仕事がはかどらないから、ずっと家にいるのかなぁ…。でも、父さんのことだからお酒を飲みに行くかも』
「そうね。母さん。急がないといけないかもしれないわね」
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続く!
と、思う。
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