前回の記事の続きです。




原作では、アニメ以上に大活躍しました。
存在感が大きく、ジョルジョ(ロミオ)への愛情もアニメと変わらず強いものがありました。

ジョルジョと仲良くする傍ら、時々エンベリーノと遊ぶこともあり、ジョルジョをむくれさせてしまうこともしばしば。ジョルジョはロミオと比べて、若干、女性を束縛するタイプのようです。


「なんでエンベリーノのなんかと遊ぶんだい?エンベリーノは頭が悪いし、おまけに弱虫じゃないか。アナグマにだって腰をぬかしてさ」

「でも、あんたを待って、一日中じっとしてられないわ。それに前に言ったでしょう。エンベリーノと遊ぶのはあんたがいないときだけよ」



ジョルジョを大好きなのは、勇敢で優しい人柄が理由でしょう。ただ、小鳥をたくさん飼っているのも、彼女にとっては魅力的なのかもしれません。

雀を捕まえてアニタにプレゼントすると、踵を返して自宅に籠城。ジョルジョが訝しんでいると、

「逃げられるといけないから、すぐに鳥かごに入れようと思ったのよ」

と、言ったまま、結局でてきてくれませんでした。

気まぐれというか、なんというか^^;
初めて読んだ時、何だこの娘は^^;と、笑ってしまいました。


アニタのお手伝い

畑が燃えてしまい、ジョルジョ一家のポレンタは日に日に小さくなり、スープの味が薄くなっていく中、家畜の餌の確保も困難になりました。アニタの父とジョルジョの父は親しいので、一緒に放牧していました。遠く険しい道でも、アニタはお父さんにお弁当を届けたりと大活躍。遊ぶだけじゃない、家のお手伝いもしっかりしています。

嫌いな生き物や虫はいるけれど、蛇やトカゲを追いかけたりもしますし、蟻の行列について行く可愛い一面もあります。13歳、14歳の割にはすごく可愛いですよね^^ジョルジョとアニタ。

この放牧のお陰で、ジョルジョとアニタは更に親密になりました。

ジョルジョとアニタは、一緒に牧場へ登っているうちに、すっかり仲良しになりました。二人はとても気が合いましたし、ジョルジョはアニタの喜ぶことならなんでもしてあげました。(原文)

アニタのお父さん、ジョルジョの父さんが1週間家に帰らず、放牧している時、アニタはジョルジョの家で夕食をとっていました。

自分の家族だけでも手一杯なのに、よその子供にまで夕食を振る舞うジョルジョママ。偉いよな…寛大です。方や、親御さんにもすっかり受け入れられているアニタも、お義母さんとのコミュニケーションバッチリなのでしょう。将来の嫁候補として間違いないポジションに位置しています。


山火事

山火事になった時も、アニタはジョルジョに同行。お転婆で遊んでばかりではないのです。勇気もあり、ヒーローに力を与える見事なサポート役をこなしてくれています。ソノーニョの屈強な男たちとともに山火事に立ち向かいました。

モブ男「ジョルジョはもう立派な大人だし。アニタだって子供じゃないんだ!」

大人からも子供じゃないと言われるあたり、しっかりものだと思いますし、昔の農村男性が喜ぶ女性のタイプだったのでしょう。細くて華奢ではなく、足腰が強壮であり、健康で骨格のよい体格だったのかと思われます。

火の海を渡ったところは、本当にハラハラしました。

本物の火事を見ると、怖くて気絶してしまうものですが、アニタも勇敢です。

ジョルジョが「おぶってやろうか?」と聞きますが、「だめよ!あんたがころんだらどうするの!?」と、拒否。ジョルジョはアニタの手を取り強行突破!


「目をつむって、ついてくるんだ!!」
「いいわ!」

勇気もある。怖いけれど、惚れた男にすべてを委ねて火の海に飛び込むところ、改めて見ると彼女の素晴らしさを再認識しました。

アニタは火傷を負い、走れなくなってしまいましたが、ジョルジョは軽々とアニタを抱っこ。おそらくお姫様抱っこです。アンジェレッタ姫、ビアンカ嬢と強力なヒロインがいる中、ジョルジョに抱っこしてもらったのはアニタだけでしょう。


とにかく乙女で優しいアニタ

ペットを引き継ぎ、さらに野生にいる動物たちの居場所をすべてジョルジョから教えてもらいました。美味しい水を飲める場所、マスがたくさんいる場所、美味しい木苺の場所もすべて教えてもらいました。

小鳥が蛇に襲われていた時、アニタは泣きそうになって心配し、ジョルジョに助けを求めましたが、「もう間に合わない」と即却下されたシーンが印象的でした。

「あんたって・・・」

アニタ、その続きは何を言いたかったのかな?「薄情者!」とかかな?ジョルジョは意外とシビアなんですね。業を煮やしたアニタは、小石を蛇に投げつけ退散させました。

「あたしが助けたのよ!もっと飛べ!もっと飛べ!もう蛇の岩なんて来ちゃ駄目よ!」

優しい…(TдT)
偉いぞ!アニタ!


無事に帰って来られますように…と、おばあさんからもらった「マドンナ・デル・サッソ教会の御守り」を、ジョルジョに渡しました。

この後、ジョルジョのミラノ行きを必死に止めてくれました。アニメと同じようにミラノに行ったら、死んでしまうと…。

出立の日、アニタに会おうと思っていたジョルジョでしたが、わざわざ悲しませることもないと、黙って出発。しかし、アニタは昨年ジョルジョがルイニを待ち伏せていた場所で、ジョルジョを待っていたのです。

ジョルジョに慰められたアニタは、ジョルジョを抱きしめ「元気でいますように。私を忘れないでね」と。


原作のアニタは出番多し

序盤に存在感を大きくアピールできたと思います。原作もソノーニョ編のみの登場とは言え、ソノーニョ編自体が上巻の約半分を占めております。山火事、放牧、ジョルジョがかわいがっているペットや野生の動物たちを引き継ぐシーン、ジョルジョを見送るシーンなど、見どころがたくさんありました。

物語の最後、エンベリーノと結婚し子供にも恵まれました。
ビアンカを連れて帰郷した時、アニタと鉢合わせしたら…と気になっていたのですが、彼女も結婚していてホッとしましたね^^;未婚の頃だったらどうなっていたことかと。アニタがジョルジョの帰国を待っていた時の気持ちを考えると、不憫です。死んだと思われていたでしょうし、涙に暮れていた日々もあったでしょう。

名劇らしいヒロインが、最終的に幸せになれたので安心しました。